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ゲームスタイルの違い 【PHXvsDEN】

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セミファイナルで激突するサンズ&ナゲッツ。各チーム展開して行くスタイルが異なり、見事な対比となっている。

サンズはガードポジションによる展開。対してナゲッツはポイントセンターから始まる。ボールハンドラーが異なることが大きな違いだ。

そんな彼らの興味深い試合展開。そこから気づいたサンズの強さについて書いて行く。

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ハンドラーにより生まれる差

ディフェンスとのズレの作り方

  • サンズ=ガードハンドラーのドリブルペネトレイト
  • ナゲッツ=インサイド起点によるパス回し

バスケは相手とのズレを作り、生じたスペースに仕掛けて行くのが基本である。それらに対し、両手チームはアプローチが異なる。

サンズは優れたガード選手がドリブルアクションにより、ヘルプを誘い出す様にアタックする。まさに躍動しており、自ら多くの動きを起こしズレを発生させる。

対してナゲッツはヨキッチというポイントセンターにボールを預け、どっしり構えた中周囲の選手が動き出しズレを作ったところにパスを通して行く。

周囲の巻き込み方に大きな違いがあるのだ。

共にスター選手を中心にゲームを展開することに変わりはないのだが、チームメイトの活躍に左右されやすいのがナゲッツであり、プレイオフでは不安材料となり得る。

ズレを生ませない守り方

ズレを全く発生させないことは不可能。より発生させない様に守る為には。守りやすいチームはどちらかを考える。

守りやすいチームはナゲッツだと考える。

理由は簡単でヨキッチ以外の選手の動きを止めれるとヨキッチは孤立する。彼の強みはパス。パスがあるからスキルが生きてくる。決してフィジカルな選手ではない為、1つの選択肢が潰れた時、苦しいプレイを強いられる可能性が高くなる。ナゲッツは他の選手が仕掛けることでズレを生むのだ。要はヨキッチ以外の選手が日毎にステップアップすることが必要である。

サンズはブッカー、CP3らと絶対的ハンドラーがいる。自らショットを沈め、パスも捌ける。彼らのペネトレイトを止めるのは容易でない。ダブルチームを仕掛ければフリーの選手が生まれる。逆にいうと彼らが仕掛けることでフリーを作り出せるのだ。

では能力のある選手とそうでないと選手に仕掛けられた時にどちらが止めやすいか。能力のある選手だろう。能力のある選手がズレを作りに行くのがサンズ。

多くのチームがそうであり、ナゲッツがヨキッチを擁することから特殊なチームであると考えるべき。

生まれたズレの攻め方

  • ブリッジズ=クレバーでスペースに飛び込むこともでき、スペースを侵さないこともできる
  • クラウダー=スクリーナーになれ、強気な3Pを放つ
  • エイトン=献身的であり、リングに向かうプレイができる

様々な方法でギャップをアタックする為、理にかなった選手構成である。特筆すべきはエイトンの運動量である。

通常、センターポジションはコートの往復量が多く、運動量が落ちるものである。その為、ポストプレイやスクリーナーとしてプレイするが、彼はゴールへ飛び込む回数が非常に多い。下の動画ではCP3が生み出したスペースに飛び込みパスタライズダンクだ。さながらヤニスの様なプレイで非常に驚異的な存在である。このプレイだけではなく、確実にリングにレイアップを押し込む姿はチームの大黒柱と言っても過言は無いだろう。私はエイトンの動き無くしてサンズバスケは無いとまで思っている。

エイトンを止めにヘルプが回ると外に控えるブリッジズのクラウダーと長距離砲が火を吹くので相手にとってサンズの布陣は的を絞りにくく、サンズからすると思う様にプレイすることができるのだ。

サンズの強さ

各ポジションの役割が明確なOef

上述した通り選手ごとの役割分担が的確である。これは2ndユニットでも同様である。エースガードを軸にしたスタイルだが脇役にはなりきらない選手がエースの脇を固めている。チームとして一貫性がある為、非常に精錬されたプレイを展開して行ける。誰が抜けても同じプレイが出来る。いつも通りにやれることはハビット(習慣)スポーツの呼ばれるバスケでは最も大切なことである。良くも悪くもサンズは「チーム」なのだ。そしてチームでの打破が困難な時にはエース・ブッカーの登場だ。類稀なオフェンススキルと強靭なメンタルはコービブライアントを彷彿とさせる。困った時には彼にボールを預けることができるからこそチームとしてのステップアップが可能だと考える。

Def水準の高さ

エイトンがガードポジションをマーク出来る点。彼を含む5人全員がオールスイッチでも守り切れる点はサンズ独自の強みである。

オールDefチームに選出される選手はいないがディフェンスシステムの理解度と単純なディフェンス能力に長けた選手を揃えている。第1戦ではヨキッチに対し、インサイドでもアウトサイドでもショットまで行かれるものの自由にやらすことはなかった。チームディフェンス方針としてシャットダウンするのではなく、可能な限る悪い条件でショットを打たせリバウンドを確実に奪取する方針だろう。

それはナゲッツにとってはやりづらいシステムだ。上述の通りヨキッチ起点でラストショットを他の選手に任せる場合、スター選手よりも能力としては劣る。それら選手に対してもカチッと最後まで食らいつく姿勢はショットの確率も勿論、パスワークも悪くすることが出来る。パスビジョンが無くなるからだ。つまり間接的にナゲッツの良さを抑えにかかっていることになる。

統率の取れたチームであること

攻めも守りもコート全員で望む。ベンチメンバーも同じくだ。

バスケはコートに5人。1人でも手を抜くと目に見えて現れる。それほどに選手全員が同じ方向を向いてプレイすることは大事である。サンズはそれが出来ている。彼らを見ていて安易なプレイや横柄な態度を見せる選手はいない。

それを可能にするのはモンテHCのコーチング力やCP3のカリスマ性。若手選手が多い中で謙虚に学び、勝ちを掴み取りたい気持ちなど様々な要因があると考える。

長きに渡りプレイオフから遠ざかったドアマットチームにとって、単純に勝ちたい。負けたくない。その大前提があるからこそ今の活躍があるのだろう。だからこそ応援したくなるチームだ。彼らからは強い「意志」を感じる。

サンズの懸念材料

SFとPFのサイズ差が顕著に現れた第1戦。ゴードンとMPJはアウトサイドもプレイ出来るのでSGとしても代用は出来る。そうなる場合に最も苦しむのはブッカーである。

実際、ブッカーにゴードンがマッチアップするとOef.Def共に非常に苦しんでいた。シュート確率低下は勿論。最も大きいのはメンタル面でフラストレーションが溜まって行くことだ。エースのフラストレーションは数字には見えない点でチームに与える影響は計り知れない。

ナゲッツはベンチにもミルサップやジャマイカルなどサイズもあり、アウトサイドでプレイ出来る選手を揃えている。サンズのフロントコート陣も決して小さくは無いがナゲッツに対しては見劣りする。またサンズベンチはサリッチなどナゲッツに対し、スピードのミスマッチが発生する為、出場機会の判断に苦しむところだ。

第2戦以降、ナゲッツはラインナップを変えるのか。それに対してサンズが講じる策は?これからのシリーズも楽しみである。

最後に!

両チーム共にオフェンススキルの優れたチームであり、殴り合いのゲーム展開は避けれない。然し、ディフェンスに部があるサンズが今の見立てでは有利にシリーズを進めて行くだろう。

多彩が売りのナゲッツは初戦を経て、どの様に戦略を立て、実行できるか楽しみである。

最後にこのシリーズはエイトンの出来がポイントだと考える。オフェンスでもディフェンスでも彼の活躍は必要不可欠である。MVP候補筆頭のヨキッチに対し、彼がどこまで対抗して行けるか、チームを勝利に導く活躍を出来るか期待している。

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