プレイオフが始まり1stラウンドも序盤も終えたところ。各チームの仕上り具合が見えて来る中、戦績に現れることがある。スモールボール採用チームの負け越しだ。環境が移り変わりつつあるのではないだろうか。
スモールボールとは
運動量を活かすスタイル
コートプレイヤー5人を小さな選手で固める。身長2m前半の選手が1番大きくなる布陣である。特徴としては全員がどこからでも3Pを放つことができ、動きを流動的に行うことでオフェンスを有利に進める様に考えられたシステムである。ビックマンを揃えガチガチに固めて行く従来のスタイルとは真逆の戦術である。
スモールボールとは言えば、
最たる例はヒューストンロケッツだろう。クリントカペラのトレード後、全員がアウトサイドプレイヤーでひたする3Pを連発する手法で成功した。革新的な戦術だったがやはりシュートは水物と言われる中でここ1番の勝負には弱い印象を持つ。
スモールボールがなぜ浸透したのか
チーム事情、選手層など様々要因があると思うが、1番はチームの中心選手のプレイスタイルによると考える。ロケッツを例にすると圧倒的1on1スキルを持つ上に、アシスト王になれるパススキルを要するハーデンと身体能力とエナジーに溢れるウエストブルックを中心に舵を切った為、コートには広いスペースが必要となった。スペースを広げる為には3Pラインより外側でのスペーシングが最も効果的である。ではシューターを揃えて行くのだがここで思い切り良く、アウトサイドプレイヤーでインサイドも守れる選手達を揃えることに注力。3&Dと呼べてサイズのある選手を獲得した。
チームの中心選手を縦横無尽にプレイさせる為、スペースを確保することを重んじたのだ。中途半端なインサイドを揃えるのであれば職人たちを揃える方が理にかなっている。
スモールボールの利点
今まではサイズのない選手が中心に
今年はスモールボールではない
イースト上位3チームを見てみよう。
スモールボールではなく、むしろビックマンを揃えている。ベンチから出てくる選手もキチンとポジション分けされており、サイズ差はより明確になっている。
これはウエスト上位チームでも同じだ。リーグトータルで環境が変わりつつある証拠と言っていい。
ビックマンのスキルセット
ビックマンのイメージはインサイドでゴリゴリと押し込んで行く。であったが近年は異なる。華麗なプレイで舞う様にステップを踏む選手や魔法使いの様なパスを出す選手など1番多彩なポジションだ。より選手の特徴が際立つポジションだと思う。つまり、アウトサイドプレイヤーと遜色の無いプレイが出来る様になっている。それはかなりの脅威となるはず。
実際にバスケをプレイした選手なら分かると思うが自分と同じプレイを同じスピードで一回りも大きな選手が披露してきたらそれはもうお手上げ状態。今のリーグはそういう局面ではないだろうか。ハイライトでもお手上げなプレイを目にすることが多い。
力と高さで支配している選手は少ない。それだけバスケット自体のレベルも上がっていると言うことだろう。NBAのみならず話題になる選手はいる。この選手のプレイを見て頂きたい。
スモールボールは終わる?
終わりは近いと思う。ビックマンがアウトサイドプレイも出来るこの時代では最早小さいプレイヤーによるスモールボールは残念ながら意味を成さないだろう。バスケも突き詰めれば最終はサイズに左右されるスポーツであることは間違いないのだから。
だからといって小さい選手が不遇になる訳ではない。根本的なクイックネスが違う。シュート力が違う。高さに奢った選手ほど容易に倒せるからだ。
むしろ、ビックマンとのP&Rで操って欲しいと思うところだ。ある漫画で触れもしないスピードにはどんな力も通用しないというセリフがあったがバスケではどうだろうか。狭いコートに高さ305cmにあるリング。高さを掻い潜って華麗にシュートを決める小柄な選手たちのスピードと更なるスキルの進化に期待しよう。
今シーズンの勝者
ビックマンの要するチームのどこかであろう。
NBA創設よりビル、カリーム、チェンバレン、オラジュワン、シャック、ダンカン、KG、ゴール下を支配していた過去がある。圧倒的な支配力でゲームを制圧するチームは優勝に近いチームと言える。
今シーズンはビックマン擁するチームがひしめき合う。古くからNBAを見ている方達には懐かしさ。バスケの進化を感じることができると思う。
今後もプレイオフから目が離せない!!!
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